ジルコニアナノ粒子で「圧力の異方性」を検出 (2026.8.31)
ジルコニアのナノ粒⼦の結晶構造が、周囲から均等に圧⼒を受けた場合には安定である⼀⽅、異⽅的な
圧⼒を受けると変化することを明らかにしました。この性質は、これまで捉えることが難しかった圧⼒の
異⽅性を検出・評価する新たな技術への応⽤が期待されます。
ジルコニアは、丈夫で熱や摩耗にも強いことから、⼯業製品や医療・⻭科材料など幅広い分野で利⽤
されているセラミックスです。ジルコニアにはいくつかの結晶構造があり、通常、室温では「単斜晶」
が安定ですが、粒⼦をナノメートルサイズまで⼩さくすると、⾼温で現れる「正⽅晶」を室温でも保つ
ことができます。
本研究では、この正⽅晶ジルコニアのナノ粒⼦に注⽬し、圧⼒のかかり⽅によって結晶構造がどの
ように変化するのかを調べました。その結果、あらゆる⽅向から均等に圧⼒をかける「静⽔圧」では正
⽅晶がほとんど変化しないのに対し、⽅向によって異なる圧⼒をかけると、「単斜晶」という別の結晶
構造へ変化することを確認しました。また、圧⼒の異⽅性が⼤きいほど、この変化が起こりやすくなる
ことも明らかになりました。
この性質を利⽤すれば、ジルコニアの結晶構造の変化を調べることで、これまで測ることが難しか
った「圧⼒の異⽅性」を検出・評価できる可能性があります。将来、⾼圧を利⽤する⾷品加⼯や医療、
材料研究など、さまざまな分野への応⽤が期待されます。
筑波大学数理物質系 所裕子教授
投稿日:2026年8月31日